総合商社でのキャリアの積み方

総合商社でのキャリアは、極端に言いますと、以前は入社時に食品原料を取り扱う部署に配属されたらずっと食品原料関係の仕事、食品中間物流を取り扱う部署に配属されたらずっと食品中間物流関係の仕事と、縦展開型が一般でした。


縦展開型は専門性を伸ばしやすい利点がある一方、たこつぼになってしまいがちな欠点があったように思います。また部署間の壁が厚くなりがちです。さらに事業ポートフォリオの見直しが定期的に強力に推し進められるようになってくる中、縦展開型キャリアでは、自分の部署の撤退を現場から進言するのは大変です。若い内は問題ないにしても、縦展開型キャリアでは、自分の部署が無くなった後の出所進退が難しいからです。


そこで最近では、横展開型のキャリアが推奨されるようになってきました。入社時は経理、その後海外語学研修を経て機械、現在は化学品といった部署を横断するキャリアを積む人もめずらしくなくなってきました。横展開型だと専門性が身につかないのではという話は今でもありますが、いろんな部署を経験することから生じる相乗効果の方に軍配を上げたわけです。総合商社という業態とも関連していると思います。今は「学習の高速道路」もありますしね。


実際にその仕事をやってみないと向いているかどうかわからないこともあります。向いていない仕事をずっと続けるのは不幸です。また色々な可能性があること自体が魅力的でもあります。以前よりもキャリアを積極的に選択出来るようになったことは、とても良いことのように思います。